単性説(たんせいせつ、Monophysitism)あるいは単性論とはキリスト論において用いられたキリスト教用語で、イエス・キリストには神性のみが存在するという思想。語源はギリシャ語で1つを意味する「mono」と本性を意味する「Physis」という言葉である。カルケドン公会議で採択された、キリストは神性と人性という二つの本性を持つという立場(両性説)によって反駁された。
単純に単性論といっても三つの大きな流れがあった。
エウテュケス主義 - 「一滴の蜜が大海に溶け込むように」キリストの人性は神性によって吸収されてしまったと考える。
アポリナリオス主義 - キリストが人間の体と人間の生命原理を持つが、ヌースあるいは思考原理がロゴスがとって変わっていると考える。この思考原理というのは現代で言うところの精神と同じものではないので注意。
合性説 en:Miaphysitis[1] - 先の二つと違ってキリストの神性と人性の二つが融合して1つの本性になったと考える。
もともと単性説はネストリウス派の思想に対抗する形でエジプトを中心に盛んになったが、カルケドン公会議で退けられた。後に単性説の変形ともいうべき単意説の思想が起こった。これはもともと単性説とカルケドン派の立場を結びつけるために考え出されたものであったが、いくたびかは東ローマ帝国皇帝の支持を受けながらも結局退けられた。
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現代も続く単性論教会としてあげられるのはシリア正教会、エジプトのコプト正教会、エチオピア正教会などである。ただし、単性論教会自体はエウテュケス主義を「単性論」とし、自派は二性を認めた上でその合一をいう点で異なると主張しており、単性論教会と呼ばれることを誤解であるとしている。